
生命を撮り、歌い、語り、祈り、
人が表現できる場所を残す。
― 山中順子・aama|30日間の言葉 ―
DAY 09|悲しみ
悲しみは、
消さなくてもいい。
大切なものを失ったとき、
人はよく、
「前を向かなきゃ」
「乗り越えなきゃ」
「いつまでも悲しんでいてはいけない」
と言います。
でも私は、
悲しみはそんなに簡単に
片づけられるものではないと思っています。
深く愛したから、
深く悲しい。
大切だったから、
いなくなったことが苦しい。
忘れたくないから、
思い出すと涙が出る。
それなら、その悲しみは、
愛した生命があった証でもある。
私は写真家として、
たくさんの生命を撮ってきました。
そして私自身も、
大切な生命との別れを経験してきました。
写真を見れば、
その日の声まで聞こえてくるようなことがあります。
歌を聴けば、
一緒に過ごした時間が
突然よみがえることがあります。
悲しみは、
なくなるのではなく、
少しずつ、
自分の生命の中に
居場所を見つけていくものなのかもしれません。
泣く日があっていい。
立ち止まる日があっていい。
思い出の中に
戻りたい夜があってもいい。
それでも朝が来たら、
今日の生命を生きる。
私はそれでいいと思っています。
悲しみを抱えている人に、
無理に元気になってほしいとは思いません。
ただ、
今日も生きていてほしい。
笑える日には笑って。
泣きたい日には泣いて。
誰かに話したい日には話して。
歌いたい日には歌って。
そうやって、
悲しみと一緒に生きていくうちに、
いつかその悲しみが、
誰かを理解できる優しさへ
変わることもあるのだと思います。
悲しみの反対側には、
いつも愛があります。
だから私は、
悲しみまで含めて
生命を残したい。
写真に。
歌に。
言葉に。
祈りに。
忘れないことと、
生き続けることは、
きっと両方できる。
あなたの心にも、
今も大切に残っている人や時間がありますか。
今日は、その生命に
心の中で一言だけ、
「ありがとう」
と伝えてみませんか。
明日は、
DAY 10|愛
姿が見えなくなっても、
私たちの生き方の中に残っていく
「愛」について書きます。
山中順子|aama
