9月6日|DAY 06 聴く

生命を撮り、歌い、語り、祈り、
人が表現できる場所を残す。

― 山中順子・aama|30日間の言葉 ―

DAY 06|聴く

話すことより先に、聴くこと。

人には、
すぐには言葉にできない想いがあります。

本当は悲しかったこと。

誰にも言えなかったこと。

ずっと我慢してきたこと。

伝えたかったのに、
伝えられなかったこと。

そして自分自身でさえ、
まだ気づいていない心の声。

私は写真家として、
たくさんの人と向き合ってきました。

人を撮るとき、
私はカメラを向ける前に
その人の話を聴くことがあります。

どんな人生を歩いてきたのか。

何を大切にしているのか。

何に笑い、
何に涙したのか。

そうして話しているうちに、
その人の表情が
ふっと変わる瞬間があります。

私は、その瞬間が好きです。

人は、
本当に自分の話を聴いてもらえたとき、

少しだけ心の扉を
開くことがあるのだと思います。

そして今、
音屋369という場所を守りながら、
改めて感じています。

歌いたい人もいる。

語りたい人もいる。

静かに飲みたい人もいる。

誰かに、
ただ話を聴いてほしい夜もある。

答えが欲しいわけではない。

正しいことを
教えてほしいわけでもない。

ただ、

「そうだったんだね」

と受け止めてもらえるだけで、
心が少し軽くなることがあります。

話すことで放し、

言えることで癒える。

でも、そのためにはまず、

聴いてくれる人が必要です。

だから私は、
語る人である前に、
聴ける人でありたい。

写真でも、
歌でも、
祈りでも、
場所づくりでも。

その人の奥にある
まだ言葉になっていない生命の声に、
耳を澄ませていたいと思います。

今日、
あなたのそばにいる人の話を、
少しだけゆっくり
聴いてみませんか。

そして自分自身にも、

「私は、本当はどうしたい?」

と尋ねてみてください。

あなた自身の声を
いちばん聴いてあげられる人も、
あなたなのだから。

あなたが誰かに話を聴いてもらって、
救われたことはありますか?

明日は、

DAY 07|歌う

言葉だけでは届かない場所へ、
なぜ私は歌を届けたいのか。

山中順子|aama